アラド戦記 > イベント

Season8 Act1 帰還

新規ダンジョン

ゲント皇宮

  • ・旧ゲント皇宮地域にゲント皇宮ダンジョンが追加されます。
  • ・「皇帝エルゼ」アクトクエストをクリアすると入場できるようになります。

天界の真の主が誰なのかを決めるために繰り広げられた熾烈な戦闘の痕跡が、如実に残る皇宮。
今もそこを通る時は互いに武器を手にして全力でぶつかり合ったあの日の場面が、目の前に生々しく描かれる。

アンジェ・ウェイン (Anje Wayne)

「ユ、ユルゲン様。ウェイン様がお見えです。すぐにお目にかかりたいと……」
「どきなさい。」
若い侍従の言葉が終わる前にアンジェ・ウェインがその姿を荒らした。障子紙のように青ざめてブルブルと震えている侍従に、ユルゲンが下がっていろと目で合図を送る。
「ウェイン公がここに何のご用ですかな?」
「何度も連絡したのに返答がないので、とても心配したのですよ。」
「大きな事を起こす準備にお忙しい中、ご心配をおかけしたようで面目ありません。」
「今も死んだお嬢様のことをお考えなのかしら?」
自分をまっすぐに見つめるウェインの視線を、ユルゲンは避けなかった。
「私も不徳の息子たちを持つ母親として、あなたのお気持ちは理解できますわ。ですが、こんな時ほどしっかりなさらないと。それが天界のためでしょう?」
「なぜそれが天界のためなのですか?」
「では、何のためなのです?」
ユルゲンは応える代わりににっこりと笑って見せた。
ウェインは気が急くほど感情が現れる。大義と名分のような言葉が口癖の貴族がこれほどの事をしたのだから、いくら結果が見えている勝負とはいえ、握っていたいカードがあるのだろう。
それが勝負を一瞬でひっくり返す可能性があるものなら尚更だ。
「私たちの目的は同じですわ。」
「ウェイン公の勝利をお祈りしていますよ。」
「ええ、そうなるはずです。」
ウェインは入って来た時と同じように、断りもせず立ち上がった。見下ろす視線にもユルゲンの表情は変わらなかった。
最後の釘を刺すように、ウェインは低い声で呟いた。
「天界のために。」

猟犬サイラス (Cyrus, the Hound)

「もうすぐ、戦争が始まるわね。」
「戦争」という単語に一瞬、血が沸き立った。
刹那の動揺を感知した魔人たちが、血の匂いを思い浮かべて低く鳴き始めた。
「ユルゲン公が言われたの。また天界に帝国の力を貸してくれないかって。ノースピースにうじゃうじゃ軍を呼び集めたウェイン公に、帝国の力までは必要なさそうだけど。」
「ユルゲン、あの者は別に動くでしょう。おそらく、あの者が言った天界というのは……」
「まあ、今更誰が手綱を掴んでも関係ないわ。今度の戦争でゲントは確実にこちらの手に入るはずよ。」
「皇女様。」
「私は帝国に戻るわ。」
長い間見てきた皇女の横顔が、なぜか見慣れぬもののように感じられた。イザベラを守らなければ。本国からの命令を考えると、私は……
「だから、サイラス。」
呼ぶ声に考えが止まる。
「あなたにお願いできるかしら?」
剣の反応はいつも正直だ。
血を求める魔人たちの叫びが、胸の片隅に拡がった不安も飲み込んでいった。
仕方ない。帝国を守る猟犬としてできることは、ただ殺すことだけ。

ハイラム・クラフ (Hiram Klaph)

「最近、隊長の様子がおかしいんだ。」
スープを食べる手を止めてミュウが言った。手をピタッと止めたコーエンとは違い、ハークは何事も無かったかのようにスープを口に運んだ。
「間違いなく、何か隠し事をしてる。黙っていなくなるのもこれで何度目だと思う?」
「さぁな。」
「ハァ……。よくこんな時にご飯を食べられるよね。」
ミュウの呟きが聞こえたのか、ハークは肩を軽くすくめる。何も言うことのできないコーエンはただスプーンでスープをかき混ぜるだけだった。
「それでも私は隊長を信じてたの。無法地帯はともかく、軍人を使い捨て扱いする貴族だけは敵だと思ってるから。でも……」
「一度信じたなら、最後まで信じろ。体調が無法地帯の奴らも貴族も、一気に片づける方法を探してるって言ってただろ。」
「だから、私はそれが…本当なのかなって……。」
食べた物が胸につかえたように、もどかしい気持ちを何と表現したら良いか分からなかった。話が通じそうにないハークはともかく、ミュウはコーエンに目を向けた。
「コーエンはどう思う?隊長のこと。実は……」
「皆ここにいたのか。」
現れたのは話題の人、ハイラムだった。
皆の視線が不自然に散ったが、ハイラムはいつもの微笑みを失わなかった。
「今日は実に完璧な日だ。そうだろ?」

警護隊長カースティン (Kersten, the Guard Captain)

「私をお呼びだとうかがいました。」
「座りなさい。」
ベルタ家と言えば、ユルゲン家との勢力争いに敗れて落ちぶれるまでは、泣く子も黙る名門家だった。
だが、色褪せた過去の栄光は、ウェイン家の主の前ではひと握りの灰よりも無意味だった。
「カースティン、あなたの話は聞いているわ。皇女の庭園も欲しがるほどの実力者だそうね。」
「ありがとうございます。」
「庭園に入るのを断った理由は何かしら? 花として生まれたならば、どんな対価を支払ってでもそこで咲こうとするだろうに。」
言葉に込められた意味は分かっている。どちらに付くのかを試しているのだ。
幸い、カースティンはアンジェの見立てた通りの人物だった。
「私は花ではなく、棘として生まれました。」
「ならば、守るべき花を探していると言うことかしら?」
「守る意味を探しているのです。」
ちょうど小間使いの子供が茶と菓子を持って入って来た。向かい合って座る2人の女の間に言葉は無かったが、互いの視線は千も超える言葉を交わしていた。
小間使いが出て行くと、カースティンは本格的な会話の口火を切った。
「……あなたのお考えを聞かせてください。」

将校マルセル (Marcel, the Commissioned Officer)

お前たちは戦場を知らないんだ。
すべてが訓練で学んだ通りに、練習した通りに流れていくなら、船上で死者が出るわけないだろ?
そう。人は誰でもいつかは死ぬ。戦場じゃなくても人間はいつ、どこで、どうやって死ぬかは分からないんだよ。
でもな。
軍服を着て戦場に出て、1発も撃てずに死ぬこと……それって本当に無駄な死に方だろう?
考えてみろよ。この中で英雄譚の脇役になるために命を懸ける奴なんているか?
簡単なことさ。
生きていたければ殺せ。上に行きたければ踏みつけろ。卑怯で汚い方法を使ってでも、最後まで生き延びるんだ。
そうすれば見えてくる。お前を罵った奴ら全員が死体になって転がっている姿が。

ゲント皇宮 - ダンジョン情報

  • ・ダンジョン入場レベル: 96レベル
  • ・一日入場回数: なし
  • ・難易度: ノーマル / エキスパート
  • ・エキスパート難易度はノーマル難易度よりも材料支給量及び装備ドロップ率が高く設定されています。
  • ・抗魔力: なし
  • ・疲労度: 固定疲労度8消耗
  • ・パーティー: パーティー可能
  • ・入場材料: なし

ゲント皇宮 - 基本報酬

  • ・ダンジョンを進行すると獲得できる基本報酬です。
報酬アイテム 獲得方式
100Lvユニーク装備 ネームド / ボスモンスター退治時に一定の確率で獲得できます。
武器 / 防具装備アイテムの場合、自分の職業に合った武器タイプ及び防具材質のアイテムが他の職業のアイテムよりも高確率で登場します。
モンスターカード ネームド / ボスモンスターを退治すると、一定の確率でそのモンスターのカードを獲得できます。
すべてのモンスターを退治すると、一定の確率で新規コモン / アンコモン / 一部レアモンスターカードを獲得できます。

ゲント皇宮 - 特別報酬

  • ・キャラクター別に、ダンジョンクリア時に最大20回まで支給され、その後もダンジョン進行時の基本報酬は毎回獲得できます。(毎日06時に回数初期化)。
報酬アイテム 獲得方式
100Lvユニーク装備 ダンジョンクリア結果報酬として一定の確率で獲得できます。
武器 / 防具装備アイテムの場合、自分の職業に合った武器タイプ及び防具材質のアイテムが他の職業のアイテムよりも高確率で登場します。
ノースピースの証 ダンジョンクリア結果報酬として獲得できます。
(NPCリンジー・ロッサム商店で100Lvユニーク装備を購入するのに使われる新規材料アイテムです。)

ノーマル難易度

項目 報酬
一日特別報酬回数 20回
特別報酬個数 1回当り200~250個
特記事項 ダンジョンクリア時、追加経験値4%獲得(96レベルキャラクターのみ)

エキスパート難易度

項目 報酬
一日特別報酬回数 20回
特別報酬個数 1回当り250~300個
特記事項 ダンジョンクリア時、追加経験値4%獲得(96レベルキャラクターのみ)