Season10 Act3 HUNTER&VIGILANTE 狩り開始！

転職:ハンター

シノプシス

重泉の空海にある「約束の都市、イネ」は仙界で最も大きな貿易港のある街である。
毎日数百隻にもなる飛空艇とそれを上回る数の人が行き来するため、港には往来者を対象にした商店や工房が立ち並んでいる。
貿易と商業の要衝として栄え、発明家たちの聖地でもある「イネ」は次第に発展し、今では仙界一経済が回る地域として知られている。

港へやってくる人々や一獲千金を狙う海賊、「イネ」を目指す飛空艇は妖怪と妖獣の格好の餌食となった。
その被害は日に日に増していき、後に妖獣の襲撃事件「空虚の墜落」が起きてしまい、都市全体が危険に晒される深刻な事態に陥っていた。
「空虚の墜落」をきっかけに、仙界最大の貿易会社「リウン」と運搬組合「恵商公局」、そして発明会社「歯車工房」は協力体制を築き、
飛行団を創設した。

私設飛行団「妖撃隊」は
幅広い規模の飛行艇で編成され、自社開発した「クロスシューター(Cross-Shooter)」で武装しており、
巨大な妖獣を攻撃する「巨獣大航団の捉妖」、少人数で活動し華麗な戦闘を繰り広げる「戦闘飛行団の砲花」で構成されている。
仙界にいる名の知れたハンターらが主軸となり、「調和・受容・理解」といった訓令を守れる者であれば、個性や技量、戦闘方式さえも
尊重して受け入れていた。
目標に応じて戦略を立て、各自役割を全うする。もちろん事故も多発するが任務の成功率は高い方だという。

妖獣と妖怪だけでなく悪党らの警戒にもあたっているが、その影響で空海の義賊「ブルーホーク」海賊団と対立することもある。

転職: ハンター

• · アーチャーの3番目の転職「ハンター」がアップデートされます。

スキル

一次覚醒：ホークアイ

シノプシス

「ふぅー。ファルケ、終わったよ。もう動いてもいいからね。うん？ファルケ？」

待ちくたびれたのか、ファルケはいつの間にかスヤスヤと眠っていた。
ファルケ。相当な重量の補助装置を翼に付け不自由なはずにもかかわらず
生物が示す、とある意志を証明するかのように、寝姿に乱れはなく穏やかな寝息を立てている。

空海の妖気を乗り越えて、仙界からこのアラドまでついて来てくれた神獣であり、仲間でもあるファルケ。
静かに目を閉じファルケの鼓動に耳を傾けると、お互い初めて出会った日の記憶が自然と甦る。

霧の混じった鋭い風が頬をかすめる。
個人飛空艇に乗って浮遊島の付近を見廻っていた時だった。
妖撃隊の飛行団の中でも小規模部隊である「戦闘飛行団 : 砲花」は普段、個別任務を中心に活動する場合が多いが
この頃、重泉に妖怪が出没する頻度が増えた影響で、自警団の巡察に動員されることになった。

「うん？この辺から妖気が濃くなってきたな。」

彼女はすぐに飛空艇を止め、周辺を警戒する。しかし妖怪の姿は見えない。
問題ないことを確認して帰ろうとした瞬間、微かな鳴き声が聞こえた。
鳴き声を辿って行った先には、怪我をして倒れている神獣がいた。
応急処置で幸い一命は取り留めたものの、翼の傷が深すぎて動けなくなったようだ。

「可哀想に…そうだ！いいこと思いついた。ちょっと待ってて。」

彼女はその場で自ら考案した補助装置を翼に取り付けてやった。
神獣はゆっくりと翼を動かすうち少し慣れてきたのか、しばらくして空を飛べるようになった。
飛んでゆく神獣を見て安心した彼女は、再び個人飛空艇に乗りイネに帰還しようとした。
しかしその時、周辺に漂っていた禍々しい妖気の出どころであった妖怪や妖獣たちが、飛空艇を取り囲んだ。
彼女は粘り強く耐えつつ戦ったが、実戦経験の浅さから全員を相手に持ちこたえるには力不足だった。
終わった――と思った瞬間、先ほど別れたはずの神獣が戻ってきては一緒に戦い始めた。
補助装置が馴染んできたのか、神獣は翼を器用に動かしていた。
そうして2人は力を合わせて、襲い掛かる妖怪や妖獣を追い払って脱出に成功した。

「やるじゃん。素早くて気に入った！」

その日からずっと共にあった2人の縁は、このアラドにおいても同様だった。
彼女は目を開けた。いつの間にか起きていたファルケも、目を開けていた。2人は互いに見つめ合う。

「完璧に改造できたよ、ファルケ。前よりずっと力強く、自由に飛べるようになったからね。」

ファルケが翼を広げる。そして彼女の肩の上に乗った。

「なっ？ちょ、待って…」

ファルケは彼女を掴み上げては、飛び立った。

「うわあっ！想像してたよりずっと速いッ！」

冒険をしながら成長したのは自分だけではなかった。

「君もずっと一緒だったもんね。」

空から見渡す、この光景。ファルケも同じものを見ているだろうか。
彼女はこれまでも、これからも。この子と一緒に同じ場所を眺めていける気がした。

スキル

二次覚醒：メイヴン

シノプシス

「まあ、正直面倒くさいことに間違いないけど…」

姿勢を変えて受け取った紙切れを、1枚ずつめくった。
突然やって来て相談に乗れって…まあ、前回助けてもらった借りもあるし1回だけだぞ。

「ところで、このどんなものでも貫通するというボルトなんだけど？これは今のボルトは無理だね。力に耐えられないよ。」
「それにこれ…構造は悪くないけど、変則的すぎるな…」

これまでの大型、小型ボルトの改良と、クロスシューターの張力のアップ、命中率を高める補助スコープ追加か…
それだけなら、この技術をどう活用するのか理解できるんだけど。
機能の追加ならともかく、ブーツもか？これをアンタ1人で扱えるのかどうか…
だけどアンタならやりかねないんだよな。
はあ、仕方ないなぁ。

「それがアンタのやり方なんだろ。」

彼女の自身に満ちた表情を見て、メルビンはこれ以上意見するのをやめた。

「その専用ボルトだけはしっかり手直ししておいた方がいいぞ。構想を現実にするためにはな。」

「じゃ、問題ないってことだよね？やった、帰るよ。ファルケ！」

「アンタほどの専門家なら、わざわざボクのところに来なくても良かったんじゃないか。」

他にも考えていた技術があると言って、去っていく彼女の後ろ姿を見ながらメルビンは呟いた。
彼女は多くの場所を冒険し、何事にも偏見なく吸収し、自分だけの技術を積んできた。
ある日、別の世界から来た彼女が見せてくれた新しいもの。
メルビンはこの世界を越えたところでは、どんな奇抜な想像力が実体化されているのだろうと、ふと考えた。

スキル

真覚醒：真ハンター

シノプシス

その手が握っていたのはとても古い記憶。
そして今も消化できずにいる宿題であり、
自分に向けて送られた応援でもあった。

「ベテランハンターの勲章」

約束の都市、イネの商業と工業の発展を図る商工協議会。
重泉を守るため、商工協議会が創設した私設飛行団、妖撃隊。
その2つの組織に認められた者に与えられる証。
自分には身に余るようで断ったが、手の中にある勲章を手放すことも、出すこともできずにいた。

かつては、鳥のように翼を広げて飛び立つ夢を見ていた。
自由になりたかった。何にも縛られる事なく、自分の道を歩きたかった。
しかし、自由とは誰かに、1つの世界に縛られること。
この世界を生きる全ての存在が自分と繋がっていることに気づいたとき、
自由が与えられるものであることを今更ながらに知った。

ファルケは翼を広げたまま、周囲を、円を描くように飛んでいる。
翼に付いている補助装置は過去に冒険者が作ってあげたものだった。
私がいなければ、生きられない存在。それも私の責任。
誰かを守る責任があるということを自ら認めたとき、私はさらに自由になることができた。
私たちは支え合うことで何でもやり遂げられる。
これ以上、自由という言葉で私の責任に目を背けたりはしない。

ようやく胸に古い勲章をつけることができた。
ファルケに信号を送る。

「いい案が浮かんだよ。ファルケ、準備はいい？」

新たな飛翔の時だった。

スキル