Season7 Act3 五番目の運命

長い間、世間を彷徨った。

行き場のない憎悪を解き放つため、無慈悲に剣を振るった。
斬り捨てた敵の顔は見なかった。
苦痛も罪悪感も無い、単なる八つ当たり。

蒼白なうめき声が真っ赤な血に染まると
死の上に花開く新たな憎悪の血の臭いが広がる。

断末魔を踏みにじって戦場を離れると
背後に感じる敗者の恨みがこもった断末魔が棘となって刺さる。

「夜叉」

夜叉と呼ばれるのはいつ以来だろうか……。
敵が恐怖に震え、命乞いをしても刃を収めなかった。
残忍で……無慈悲な……
誰よりも強くなるために、何度でも血を撒きながら戦場を駆け巡るのみ。

今目の前にいる、この男。
彼は、生まれながらの「夜叉」と呼ばれた我が姿とよく似ている。
ただ、剣先に感じる微かな震え……。

この者の心に残る、最後の良心の足掻きを感じる。
だが、それももう長くは続かないだろう……。

-夜叉の独白