Season6 Act3 運命を貫く槍

「太陽が浮かんだ夜を見たことがあるか?」
最近この怪異現象があちこちで確認されている。

漆黒の闇は本能である恐怖心を刺激するのに十分であった。
幾多のモンスターが暴れ狂い、帝国は被害を最小化させるために調査を始める。
報告書で目立ったのは、輝く二つの黄色い瞳を目撃したという内容であった。

珍しい点は「彼ら」と「正体不明の存在」という文字が報告書に混在していた。
帝国首脳部は多数による反逆行為だと見当をつけて抹殺を命ずる。

状況が急変し、単純な「闇」だと思われていた現象が「死」を呼び込む。
深刻さを感じた帝国首脳部は、精鋭部隊を編成して闇を追跡する。
多くの犠牲を伴った末、すべての主犯と思われる者を見つけ出した。

しかし報告と違い、彼は一人であった。
「帝国の全力はこの程度か?」

自尊心が強い精鋭部隊はカッとなったが、死の匂いを感じて近づけなかった。
「ここまでやって来た貴様に敬意を表そう。」

その瞬間……漆黒の闇がすべての光を飲み込みながら落ち、
落ちた闇を飲み干すように彼自身も徐々に黒く染まり始めた。

報告書で見た「正体不明の存在」
気づいた時には闇の中から最後の一言を聞いて、死を迎えるしかなかった。