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ARAD×SNK 担当者が届ける制作ノート #1
2024.09.13 15:00
こんにちは。SNK制作ノート担当のシャーロックです。
この度は制作ノートを通じて初めてご挨拶できてとても嬉しいです。
本日は製作過程や制作の裏話が気になる冒険者さんのために
SNKコラボダンジョンの内容を紹介させていただきます。
今回の制作ノートは2部構成で、それぞれ違う話をお伝えする予定です。
1部では、今回のSNKコラボでミニゲームを担当した方をお招きして
SNKキャラクターをダンジョンに適用することから戦闘までの制作過程を、
2部ではアバターを担当した方をお招きして
念入りに作ったアバターや武器アバターそしてマッチングなどの制作過程まで全て紹介できればと思います。
本格的にインタビュー始める前に、1部の内容について簡単に説明します。
今回のSNKコラボではアバターだけではなく、ミニゲームも一緒にアップデートされます。
そのミニゲームを中心に制作過程や制作の裏話についてお話ししたいと思います。
そこでミニゲームを担当した企画者AさんとBさんに来ていただきました。
アラド戦記のミニゲームの制作過程が気になっていた方に少しでも楽しんでいいただけたら幸いです。
それでは、SNK制作ノート1部を始めたいと思います。(_ _)
シャーロック : ふう…少し緊張してしまいますね…早速、担当者の方をお迎えします。
こんにちは。冒険者さんたちに自己紹介をお願いします!
A : 冒険者さん、初めまして。SNKコラボ企画者のAです!
B : 初めまして、冒険者の皆さん!企画者のBです!
シャーロック :インタビューにご協力くださり、誠にありがとうございます。(_ _)
A/B : こちらこそ、冒険者さんに私たちが手掛けたミニゲームについて紹介できて嬉しい限りです!
シャーロック :私も皆さんが作ったミニゲームをプレイして、ぜひ冒険者の皆さんにも紹介したいと思っていたので、
本当にこのような機会が設けられて光栄に思います。
個人的には最初、アラド戦記とSNKがコラボをすることになってとても驚きました。
まずはBさんのご感想をお聞かせください。
B : 私も未だに信じられません。企画者として子どもの頃から大好きだったゲームとそのキャラクターが、
自分の企画したコンテンツに登場するなんて考えるだけでワクワクでした。
シャーロック :今回コラボが決定したゲームはTHE KING OF FIGHTERS '98 ULTIMATE MATCHと
サムライスピリッツ 天草降臨ですが、昔プレイしたことはありますか?
B : はい。小さい頃、少しずつお小遣いを貯めてゲーセンで友達と対戦していました。
今思い出すと、とても微笑ましく感じます。
それでこの素敵な思い出を素材にすれば、冒険者さんもきっとアラド戦記でまた新しい思い出が作れるのでは?と思ったんです。
シャーロック : おお、さすが企画者の観点ですね。楽しさだけではなくて、冒険者さんに思い出を提供する意図があるとは…
B: ある意味職業病(?)ですね…SNK関連話になると、つい興奮してしまいます。
シャーロック :私も、学生時代、めちゃくちゃゲーセン通いしていたのでよくわかります。
あ、思い出に浸りすぎて本題を忘れそうになりました(笑)。
さて、それではこの素晴らしい思い出を冒険者さんにどう伝えたかったのか、企画についてもう少し詳しく教えてください!
A : はい。有名なIPの話になると必ず出てくるテーマがありますよね。
例えば、「強いキャラクター同士で戦ったらどうなんだろう?」など。こういうのは想像するだけで胸が熱くなりますよね?
シャーロック : ええ、複数のジャンルや分野において実際にそういったテーマに基づいて作られたゲームも存在するので、
冒険者さんも今回のSNKコラボについてとても興味津々だと思います。
A : 私もアラド戦記とSNKがコラボするにあたって、どんな方法で楽しんでもらうか悩んだ末、
「プレイヤーが自らSNKキャラクターを操作してアラド戦記のダンジョンをプレイする」という方向性を決めました。
B : もう少し補足しますと、SNKキャラクターが本人の固有のスキルを使用してアラド戦記のダンジョンをプレイする」ことでした。
そしてこういう方向性が決まった後もう少し細かい部分を構成する段階で考えたのは、面白さのコンセプトでした。
ここで先ほど申し上げた「思い出」をメインキーワードにしました。
A : コラボ対象のSNKタイトル(THE KING OF FIGHTERS '98 ULTIMATE MATCH/サムライスピリッツ 天草降臨)を
プレイしたことがある冒険者さんに、当時の思い出をよみがえらせるのが1個目の目標で、
またアラド戦記も同じく長年サービスしてきたゲームとして、
冒険者さんたちとの思い出をよみがえらせる要素を一緒に追加すれば面白くなると思いました。
SNKタイトルは格闘ゲームベースですので、昔のアラド戦記の相互作用を復活させれば、
原作の雰囲気をより活かすことができると判断しました。
シャーロック : SNKキャラクターがアラド戦記のダンジョンをクリアするだけでなく、昔のアラド戦記の相互作用まで!
冒険者さんも今回はたっぷり思い出に浸れるチャンスですね!
ところでSNKタイトルとアラド戦記が同じ2Dゲームでも、適用する工程できっと苦労があったと思うのですが…
過程についても少し話していただけませんか?
B : はい、作業開始の頃は予想よりも順調でした。
SNKの元リソースをテストを兼ねてアラド戦記のインゲームに適用したところ、
大きな違和感はなく、ビジュアル的な再現も難しくなさそうでした。
A : ただ、2つのゲームの時差が現在のアラド戦記と20年以上の差があるために
ボディドットや攻撃エフェクトのアートリソースのテクスチャーが異なる部分があり、
複数のフレームで構成された元リソースを圧縮して本来のキャラクターの雰囲気を再現する作業に難航しました。
この部分はSNKキャラクターが動き回る舞台がアラド戦記になるため、
アラドスタイルのドットやエフェクトで新たに制作することにしました。
B: 全てのリソースをアラドのスタイルで作り直すために、多くの議論と作業が必要でしたが、
幸いにもアートチームが迅速にプロトタイプを作成し、
版権元であるSNKと継続的にコミュニケーションを取りながら作業は順調に進みました。
UIも同じく、原作の雰囲気を最大限活かすことを目標に制作しましたが、UIの全体的なトーンを合わせる必要があったので、
THE KING OF FIGHTERSとサムライスピリッツの間で選択しなければならない岐路に立たされる時もありました。
A : 2つのゲームのスタイルを混ぜて使うのは、むしろ原作の雰囲気を損なうことになると思って議論の末、
より人気の高いTHE KING OF FIGHTERSのスタイルに合わせることになりました。
サムライスピリッツのファンの皆様には、この場を借りてお詫び申し上げます。(_ _)
そして、原作の象徴的なマップも一部取り込み、アラドのアートスタイルを施して新たに制作しました。
そしてこれらのリソースは常に見えるのではなく、一部の状況でしか見えないように配置してみました。
シャーロック : もちろんすでに公開されたマップをご覧になった方もいらっしゃると思いますが、
今話した背景の部分は隠し要素として、冒険者の皆さんにサプライズできたのに、ネタバレになるのでは……
A : ああっ、私はあくまで冒険者の皆さんにできるだけ多くの情報を提供したいがために…(口を塞がれる)
シャーロック : さて、次は企画について具体的な悩みもしくは意図などについてお話できればと思います。
どのような部分で一番悩まされたか、教えていただけますか?
B : はい。企画者の立場として、全般的な悩みの種は戦闘ルールでした。
開発に参加したメンバーは、アラド戦記を長年プレイしているコアユーザーでありながら、SNKゲームのファンも多かったので…
一見どちらも2Dドットゲームとして似ているように見えますが、
実際の作業に取りかかってみたら次から次へと出てくる違いにかなり悩まされました。
シャーロック :そういえば確かに。
THE KING OF FIGHTERSとサムライスピリッツはどちらも1:1で戦う対戦格闘ゲームで、
現在のアラド戦記はボスと1:1もしくは、一般モンスターをスキルで一掃するのが主な戦闘方法ですよね。
A : ええ…その通りです。
アラド戦記のアクション性と全く異なるとは言えませんが、
長期間サービスしているうちにキャラクターとモンスターが両方とも初期に比べて強くなっているので、
SNKゲームの戦闘ルールをそのまま適用するのは不可能でした。
シャーロック : 確かに対戦格闘ゲームの特性上、
お互いのアクション一つ一つが全てフィードバック要素を持っていることもありますしね…
あ!それで先ほど昔のアラド戦記の相互作用要素を復活させるとおっしゃったのですね!
A : そうですね。もう少し詳しく話しますと、
対戦格闘ゲームは相手プレイヤーに基本攻撃をすると、その攻撃を受けたプレイヤーは硬直にかかる仕組みです。
さらに、そこから連係して後続攻撃を成功させるのが全般的なプレイ方式です。
B : 次はアラド戦記の観点からお話しします。
現在のアラドでも硬直のように初期から使われていた相互作用要素が削除されていないので、
主に一般モンスターから見られるものになっています。
例えば均衡の仲裁者の一般モンスターのほとんどは、硬直モーションと同時に死亡します。
このように、同じ種類の打撃フィードバックでも、扱われる軽重が異なる場合が多いので、
適切な中間ポイントを決める必要がありました。
シャーロック :企画を進めるために一番難しいのが、適切なポイントを見つけ、多くの人のニーズを満足させることですが、
今の話だと2つのゲームを一つに混ぜ合わせながら「適切な中間ポイントを探す」ことになりますと…
ああー話を聞くだけで気が遠くなりそうです…
それでは、どんな方向で企画を練っていきましたか?
A : これまでアラド戦記で開発されたモンスターの被撃条件に関する内容を障害物として捉えるのではなく、
積極的に活用する方向にシフトしました。
アラドのモンスターの被撃条件は、一般(全ての攻撃に対応)、ハイパーアーマー(ホールドにのみ対応)
ホールド不可(全ての攻撃に対応しない)の3段階に分けられています。
この中から、SNKの原作と最も異なる部分は、ハイパーアーマーとホールド不可の状態になります。
そのため、この部分を冒険者さんのプレイに応じて俊敏に対応、調整できる要素として使おうとしました。
B : そこで無力化や無力化ゲージの下にある黄色のホールドゲージの使用やハイパーアーマーブレイク、
エアリアルダメージ増加要素を加えて、既存のアラド戦記の要素を活用しながら
SNKキャラクターの打撃フィードバックを活かしてみようと試みました。
ホールドゲージが適用されたモンスターは、最初の遭遇時にゲージが空ですので、ホールドや硬直などが適用され、
被撃モーションが続くことでゲージが溜まっていき、いっぱいになると一定時間、打撃硬直やホールドの影響を受けなくなります。
A: ハイパーアーマーブレイク[ブレイク]タグが付いたスキルに適用される機能で、
ハイパーアーマーが適用されたモンスターに対象スキルを的中させるとそのモンスターのハイパーアーマーを解除するものです。
その場合[ブレイク]スキルでハイパーアーマーを割り、攻撃すると完全な打撃フィードバックを受けます。
B : 最後に、エアリアルダメージ要素について説明します。
無防備になった敵をアッパースキルで浮かせて、後続スキルを使用して打撃を与える時に追加ダメージが入ります。
素晴らしいコンボを完成させたご褒美に、数値的なフィードバックをお返ししたかったです。(グーポーズ👍)
シャーロック :やはり空中に浮かせた敵にタイミングよくコンボを決めた時の爽快感は、一度味わうと忘れられませんね。
素敵なコンボには報酬が伴うものです!(グーポーズ👍)
ここでお話を伺っていると、コントロール・ビジュアル・数値を全て見せようと、色々と工夫をされていたようですね。
次に、原作の要素はどのように取り入れたのか、とても気になります!
A : はい。無力化やホールドゲージの使用、ハイパーアーマーブレイクとエアリアルダメージ増加要素はアラド戦記のもので、
原作の要素をオマージュして溶け込ませた部分はパワーゲージ/ガード/回避になります。
B : パワーゲージは攻撃またはガード成功で溜めることができて、満タンになると気爆発状態に入ります。
そして気爆発状態になると一時的に様々な強化効果が得られて、必殺技が超必殺技に変更されます。
A : この部分は原作でも非常に特徴的な部分ですので、内部で議論をする時もかなり早く進行できた記憶があります。
B : はい、そうですね。この部分は絶対に原作通りにするのが良いと判断しました。
ガードスキルについても説明します。これは使用すると一時的にガード態勢を取るスキルです。
ガードの体勢を取ると、攻撃を受けた時にガード成功判定が発生し、パワーゲージ上昇などの付加効果が得られます。
あとクールタイムが存在するように設定しました。
シャーロック : おお、つまり適切なタイミングでガードを使用したらもっと簡単にクリアできるってことですね!
それでは、原作の緊急回避はアラドでどんなふうに再現しましたか?
B : 最初は、ソウルライクなどのアクションゲームでよく見られる無敵緊急回避を考えていましたが、
ガードと役割が重なるようで、打点調整や移動技として使用できるように変更しました。
A: 無敵緊急回避で適用したら、原作には忠実になりますが1対1の格闘ゲームではないので、
難易度の面で簡単になりすぎるところが懸念されたので、クールタイムなしの移動/回避技に設定しました。
B : 1対1格闘ゲームの話が出たのでついでにですが、今回のミニゲームの方向性について議論する中で、
決闘場にSNKキャラクターを追加するというアイデアもありました。
シャーロック : なんと!でも適用されなかったということは…やはりハードルが高かったのですかね…?
B : はい、とても残念でした。
SNKキャラクターを追加する場合、追加されたキャラクターが既存アラド戦記キャラクターと同じくらい
アラドに最適化された操作感を持つように作らなければならないのと、
追加されたキャラクターを考慮した新しい決闘場システムの構築が伴う必要ですが、
これらのことを決められた期間内に作ることが現実的に難しかったんです。
シャーロック : あ…先ほどにもおっしゃったように、
他のゲームのキャラクターを新しいシステムに適応させるのは複雑で手間がかかりますよね。
シャーロック : 先ほど回避スキルの話をしましたので、今度はBGMと効果音の話をしましょう。
インタビューの冒頭で「思い出」というキーワードを掲げて企画したと言いましたね。
BGMや効果音が異例と言えるほど多くの種類を使用したと聞きましたが、本当ですか?
A : はい、その通りです。
冒険者さんにゲームをプレイすることでノスタルジーを感じてもらい、懐かしい思い出を呼び覚ませるよう、
なるべく原作の雰囲気を損なわないように工夫しました。
キャラクターごとにオリジナルテーマ曲があり、また曲ごとに特徴が大きく異なるため、
個性を表現するのにはキャラクターとBGMをマッチングさせることが適していると思い、これを最大限に表現したく、
インゲームではダンジョンの入場前にキャラクターピックを変更するたびに別のBGMが流れるように設定しました。
B : キャラクターのスキル効果音も同じく、
それぞれの国の言語で収録するか/原作のものを使うか様々な意見が飛び交っていましたが、
「原作のリソースを使おう」という意見が圧倒的だったのが記憶に残ります。
シャーロック :確かに原作の効果音から来るインパクトは無視できませんね。
私も子どもの頃、友達と対戦する時、全力で叫びながらスキルを使っていたので…ハハッ。
B : スキル名や決め台詞を叫びながら撃つのは万国共通でしょうね、ハハッ。私もまたプレイしたくなりました。
シャーロック : ミニゲームに関する話はここでそろそろ終わりにしたいと思います。
2部はアバター担当の方を招待してまた色々とお話しできればと思いますので、ぜひ楽しみにお待ちください!
お二人ともお疲れ様でした。最後に冒険者さんたち一言お願いします!
A : 多くの冒険者の方々が楽しみにしていた分、一生懸命準備したのでぜひ楽しんでいただければ幸いです!
それではまたお会いしましょう。
B : 初めて冒険者の皆さんにお会いできて嬉しかったです。
これからもより面白いゲームを企画していくので、引き続きアラド戦記のことをよろしくお願いいたします。ありがとうございました!
シャーロック :それは私の締めの言葉なのに…!それでは、本日はここまでになります!ありがとうございました!(_ _)