GMブログ

詳しいアップデート内容や注目のトピックスを集めています。

  • GMブログ

    真覚醒ストーリー 男プリースト編

    2023.08.30 15:06

こんにちは!
GMフォルテです。

気がつけば8月も終わりで9月がやって来ますね!
素敵な夏の思い出は作れましたでしょうか🌻
9月になるとアラド戦記は17周年を迎えます!
今年も沢山の周年イベントを準備していますので、楽しみにしていて下さいね😆

今回の真覚醒ストーリーは男プリーストです!
聖職者であり神を信仰する彼らにどんな物語が待ち受けているのか、気になりますね🎵
最後までぜひお楽しみ下さい!



真クルセイダー

その日も祈りを捧げている時でした。
いつの間に眠りについたのか、私は五雲に埋め尽くされた空を浮遊していました。その時、小さな光が接近してきて問いかけてきたのです。

「そなたの生きる理由は何なのだ?」
「我が神、レミディオスの意を伝えるためです」

躊躇いなく答えたが、光はその答えに満足できなかったのか、もう一度問いかけてきたのです。

「では、そなたの心にはどんな目標があるのだ?」
「この世に過ちを犯した者たちを改心させ、それを通じて善良なる者たちを救うことです」

そう言いながら、あまりにも在り来たりな返答をした自分を恥ずかしく思いました。
光は私の心の内を読んでいるかのように、もう一度問いかけたのです。

「ならば、そなたに足りないものは何か?」

軽い質問でしたが、言葉が出てきませんでした。これまで考えたこともなかったからです。
声に出すには恥ずかしい言い訳が頭の中を猛スピードで掛け巡りましたが、その先にあるのは真の告白でした。

「全てにおいて不足しています」

不思議なことに、光はようやく満足したように見えました。

「勝てなかったのも、仲間を救えなかったのも、信仰が足りなかったせいです。
信仰は私の根幹であるため、それが不足していたということは……結局私の全てが欠如しているのです」

すると光が肯き、私の胸に浸透しました。

「己の欠如を悟りし者よ。我の真正なる意を遂げよ」

光の声が夢の如く伝わるのを感じたその時、私は肌寒い礼拝室で目を覚ましました。
気が付くと私の胸には蒼く光る涙の雫のようなものが輝いていたんです。
私はそれを見て咄嗟に目を閉じ、再び祈りを捧げました。

「我が神、レミディオスよ(Pie, Remidomine)……」

欠如を埋めていただいた意を受け、これからもこの世の哀れな者たちを護り、敵に裁きを。
そして神の代行者として、この世に溢れる光と愛を導くことを誓います。

真インファイター

レミディア・バシリカにも一部、高位のプリーストだけが接近を許された場所がある。
人通りの少ない場所だからか、小さな照明すら置かれておらず、質素な祭壇に黄金の光を放つものが供えられていた。

「前方に見えるのはレミディオスの聖座である。聞いたことはあるか?」
「レミディオスの聖座……」

メイガ・ローゼンバッハの言葉に、横にいたプリーストはその言葉を口ずさみ、首を縦に振った。

「主神レミディオスの神聖なる力が込められた聖遺物である。聖なる5人のひとり、ボルフガント・ベオナール様が初めてお使いになったと言われている」

メイガが話している間、レミディオスの聖座はただの光群だったが、いつの間にか別の姿に変化していた。
それに気付いた時の妙な表情を見て、メイガが声をかけた。

「どのような形に見える?」
「……釘の形をしています」
「釘か。両拳で悪を貫く君にぴったりだな」

メイガがそう言った時、レミディオスの聖座から黄金の光が溢れ出した。
溢れ出るその光は、ゆっくりと祭壇の前にいるプリーストの元へと流れ、彼の身体を覆った。
慈悲に満ちた温もりを帯びたその光からは、どんな悪にも打ち勝てるほどの強い神聖力が感じられる。

「本来はその資格が認められた僅かな高位プリーストだけが、神の許しを受け扱うものである。しかし……」

金色に輝く主神レミディオスの神聖力がプリーストの片方の拳に集まった。

「お前には既にその資格が備わっているのではないか?」
「これは……?」

いつの間にか彼の拳にレミディオスの聖座が据えられていた。
正義を表した巨大なガントレットは、まるで身体の一部のように馴染んでいた。
不安げにしていると、ガントレットは再び金色の光を放ち、本来あるべき場所へと戻っていった。
何が起きたのかわからず、素手に戻った拳とレミディオスの聖座を交互に見ているプリーストに対し、メイガはこう言った。

「残念がるでない。お前は今ここであのお方の許しを得たのだから」
「どのように……」
「お前があのお方の意のままに正義を執行すれば……レミディオスの加護が常に身を守ってくれるだろう」

メイガはそう言って、ゆっくりと来た道を歩いて行った。
こちらを見つめるような温かな光をしばらく見ていたプリーストは、早い足取りでメイガを追った。

真退魔士

試験は全て通過したものだと思っていた。
式神に認められるということ、それは退魔士としてこの上なき悟りである。
彼らから悪を処断する力を拝借することこそ、それに対する報酬であると理解していた。
そして黄竜にも受け入れられた時、世の中にある悪を全て浄化できるのだと驕り高ぶっていたのかもしれない。

しかし、恐るべき難壁に出会ってしまったのだ。
それを越えるために全式神の力を用いたが、傷一つ付けることもできない分厚く高い壁。
式神たちよ、力を与えたまえ。より大きな力を……私とさらなる共鳴を。
そなたらの力を……もっと……

揺るぎないものだと思っていた心が打ち砕かれ、荒波とともに式神との共鳴が散り去ってしまった。
欲望とその煩悩にまみれた者を式神は許さぬであろう……。私はこうして彼らに受け入れてもらう前の状態に戻ってしまうのだろうか?
たとえそうなったとしても、弁解の余地はないだろう。
その状況を全部受け入れるために、全てを手放した時、彼らの声がした。

「燃えるような正義感も冷厳を前にして鎮まり……」
「冷めきった冷静もまた、情熱を前に溶け落ちる」

式神の声を初めて耳にした。違う……彼らはずっと私に問いかけていたのに、
傲慢な己の卑小な心が、それを塞いでいたことに気付く。

「万物を悟りし者であれ、たったひとつの無知を前に跪くことは、正当な理であるがゆえ……」
「目に見えぬものを見よ」

彼らの声を聞き、心を空にした。すると、ようやく何かが満たされていくのを実感できたのだ。
この世の理、そして神仙である五つの式神と同じ目線に立ち、改めて目を向ける……。これまで目もくれなかった深いところには、すでに壁を破る力が存在していたことに気付かされた。
新たに共鳴を試みただけであるが、まるで天地を開闢させるほどの力が湧き起るのを感じた。

「我らの真正なる力で一を以って之を貫くのだ」
「理から逸脱し悪として定められし者たちもまた、その理を前にするであろう」

悪として定められし者たちもまた、万物の一部である。
しかし、この理から逸脱したのであれば……この手で滅してやろう。

真アベンジャー

足音がする。
暗闇の中、一本道から続く橋を渡る者がいた。

『ピチャッ……』
窪みを踏んだ時に水音がしたが、足にその感覚はない。
この罪人の血? それとも別の者の血なのか?
……誰のものでも構わない。

『ピチャッ……』
歩を進めることに何の疑いもない。
この湧き起こる怒りを鎮められるなら、何でも受け入れると心に決めたではないか?
……気に留めるな。

『ピチャッ……』
この先に神の答えがあるのか? それとも別の存在の答えが?
引き返すべきか……?
……答えなどない。

『ピチャッ……』
橋の幅がいつの間にか丸木橋ほどにすり減っていた。
この先も狭まっていくこの道の先は、光? それとも闇?
……恐怖心などない。

『ピチャッ……』
糸の太さほどになった橋の上に辛うじて立つ。次が最後の一歩である気がした。
次は奈落の底かもしれない闇に、躊躇いもなく最後の一歩を進めた。その結果が何であれ……
……どうでもよかった。

『……』
その先は奈落ではない。
糸ほどの細い橋に繋がる光の道が男を支えていた。
男が歩く道には光があり、常に神が見守ってくれていたことに気付く。
この全てが大事な歩みだったのだ。

男は一本の明るい橋に歩を進めた。
あのような音はもう聞こえなくなっていた。



以上、男プリーストの真覚醒ストーリーでした!
次回は女プリーストの真覚醒ストーリーを公開します。お楽しみに✨

GMフォルテでしたヾ(゚ω゚)ノシ

お知らせ