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    真覚醒ストーリー 女ガンナー編

    2023.07.12 16:27

こんにちは!
GMフォルテです。

7月になり、毎日暑い日が続いてますねー!
2週間後にはいよいよ新職のアーチャーがやってきます!
2種類の転職が同時実装されますが、皆さんはどちらのキャラクターをプレイされますでしょうか。
本日特設ページがオープンしていますので、ぜひチェックしてみて下さいね😉

前回の男ガンナーに続き、今回は女ガンナーの真覚醒ストーリーをお届けします!
同じガンナーでもまた違ったストーリーが楽しめますので、ぜひご覧下さい🌻



真レンジャー

あの方が戻ってきたのは、天界を離れてからそれほど経っていない頃でした。
戦後に建てられた犠牲者たちの慰霊碑を、疲れ切った表情でしばらくの間見つめていました。
1日中慰霊碑を見つめる日もあれば、悲しい表情を浮かべて帰られる日もありました。
私たちはあの方が戻ったという知らせを受け、あの方に何度も接近を試みましたが、一度たりともこちらに視線を向けてはくれませんでした。
ただひたすらに過去の残骸を見つめ、苦悶されていたのでしょう。
そして……ある日、これまでとは違う表情を浮かべ、どこかへ行ったきりお戻りになっていません。

あれから幾年経ったのか、わかりません。
私たちは二度と同じことが起きぬよう、そして失墜した名誉を取り戻すため奔走していましたから。
屈辱の日々を噛みしめ、厳しい訓練を終える頃、あの方がここにいてくだされば……
また同じことは繰り返さずに済むのに、と愚痴をこぼし合いますが、私たちの我が儘に過ぎないということをみんな分かっていました。
あの方に対する残念な気持ちが少し表面に表れただけですから。
そしてある日、何事もなかったかのようにあの方は突然戻って来られたのです。
風になびく美しい髪、軽い足取りは、私があの方と同じ名を掲げていてもいいのか心配になるほどでした。

その日にあの方が向かった先は慰霊碑ではなく、私たちの前でした。
あの方は過去ではなく、今の私たちを真っすぐに見てくださいました。
そしてあの方が成し遂げた結実を、私たちに見せてくださいました。
それは……言葉では表現できないほど美しいものでした。
身体で描かれる一連の動作ではありますが、その肉体から発せられているとは思えないほどの見目麗しい動きでした。
その動きで、私たちがなぜ失敗したのかを証明してくださいました。
私はあの時、あの方の笑みを見て思わず涙が溢れました。そしてようやく分かったのです。

あの方は幾年も前から私たちのことを見ていてくださった……そしてお守りくださっていたということを……

真ランチャー

ここは人通りの少ないゲント工房通りの一角。今日は誰かが訪れるような予感がした。
そして、この平穏な日常が当分訪れなくなるかもしれないという不安も。

「はあ……厄介事が舞い込んでくるかもしれないなぁ……」

やがて、意を決したような面持ちであいつがやってきた。あの顔は今も鮮明に思い出される。
あいつは何も言わず設計図というのにはほど遠い、仕様書のような紙を差し出した。俺はそれを見て『こいつにコレが扱えるのか?』という疑問をまず抱いたが、何も言わずにいた。
自己解決をモットーとする「冒険者」のあいつが、俺のところに出向いた訳だ。きっと大きな壁にぶち当たったに違いない。

- プロジェクトPandoraスタート
装備が完成した。しかしこれは始まりにすぎない。
このプロジェクトのハードルは、製作して完成ではなく、その先の扱うところにある。
あいつは初始動時に、射撃場を崩壊させてしまった。
装備の威力を計算できていなかった自分にも問題はあるが、あいつの考え込んでいる様子を見るに、原因はそれだけではないように思えた。

- プロジェクトPandora7日目
新たに用意した射撃場で、あいつは何かに憑りつかれたように訓練を続け、ぶっ倒れてしまった。
幾多の敵と戦って鍛錬した肉体が、まるで歩き始めた赤ちゃんの時に戻った感覚だと言う。
そんな状態で訓練を強行したからだろう。今のうちに崩壊した射撃場の補強でもしておくか。

- プロジェクトPandora10日目
あいつは医者に1週間は休むように言われたにもかかわらず、訓練を再開した。

- プロジェクトPandora17日目
やっとのことで、決戦型フォームへの展開に成功する。
火力を維持し、高い機動力を確保しながら兵器の重量を支えるのは、並みの人間では耐えられるものではないと思っていたが、あいつはそれをやり遂げた。

- プロジェクトPandora26日目
別件が忙しく、数日射撃場には行っていない。ある日、あいつが俺の元へやって来てオーダーを入れた。
ふむ……俺の知る限りの技術を駆使して、耐久性の高い標的を作ってくれだと?
目的は理解できた。最後の訓練で試したいのだろう。お望みのものを作ってやる。あの武器をモノにしない限り破壊不可能なものを。

- プロジェクトPandora終了
とにかく驚いた。俺は複雑なメカニズムを持つ兵器が、機能と妥協して出す強度とは次元の異なるものを作ってやった。
それなのに耐久性を最優先にして作った物体は原型がなくなっていて、あいつはその場で倒れていたのだ。
あいつは倒れているにもかかわらず満足した表情を浮かべており、俺は口が緩みそうになるのを抑えながらこう言った。

「遂にやったな。しかしこの武器の名をパンドラにした理由を忘れるなよ。安直に付けた訳じゃない。ただ、敵に災難をもたらす箱という意味では合致するがな」

あいつが頷いた。

「最後まで希望を捨てないこと。それを手放した瞬間にこの武器が持つ名にお前も振り回されてしまうのだから……覚えておけ」

俺は改めて奴が破壊した物体を見つめた。これであいつは絶対に的を外してはならない危険な武器を手に入れたってことだ。
こんな威力を持つ武器が意図せぬところで使用されたら、どうなってしまうのだろうか……

真メカニック

「これは……まさに革新ですね!」
「ふふっ」

リンジー・ロッサムはジナ・テオドールの言葉を聞いて笑う。革新だなんて。
ものを開発することを当たり前だと考える人の口から出た言葉にしては、あまりにもらしくない言葉だったからだ。

「笑わないでください! そのくらい驚いたってことですよ」

少し不貞腐れたジナの視線が小さな実験室の中に向けられて、リンジーもドアの先にあるものを見る。
実験室の中は一見何も無いように見えるが、実はとても多くの物体が動き回っているのだ。
2人の科学者がかけている特殊ゴーグルでなければ見ることのできない、とても小さな物体。
彼女たちはその小さな物体に「マイクロボット」という直観的な名前を付けた。

「絶対零度に近い温度でも形態を維持でき、爆弾の中心温度でもすぐさま元の状態に回復しましたよね?」

ジナの言葉にリンジーが答えた。

「はい。マイクロボットは何よりも複雑でありながら最もシンプルな構造を持っているからです」
「私たちが追及してきた、美しく強い物を自由に作れるなんて……ステキ!」
「明確な欠点があるのでは?」

後ろから割り込んできた声に2人は振り返り、相手を見るとゴーグルを外して会釈した。

「あっ、フェルール・ウェイン様」

天界の服を着ている男は彼女たちに挨拶を返すと、実験室の中を注意深く覗いた。

「あんなに小さなロボットを自由に操って、好きな形を作ったり、武器の補強をしたりできるのか……確かに画期的な発明品だ。設計された型であれば何でも瞬時に作ることができるな」
「はい。装備の強化はもちろんのこと、新たな武器も自由に製作できます。これを操る者は、まさに歩く工場と言ってもおかしくないでしょう」
「だけどまだ……」

フェルールは得意げに話すリンジーを見て、翡翠色に輝く指輪がはめられた手を実験室の方に差し出した。
そしてその手を少しずらすと、何もなかった場所に巨大なマシンガンが生成されたのだ。
手をもう一度動かすと、マシンガンは宙に浮いたまま向きを変え、実験室の奥に配置されたターゲットに向けて発砲したのだった。

「うむ」

それは一瞬のことだった。彼女の集中力が途切れてくるとマシンガンは分裂し、形態の崩れた銃が四方に発砲した後消えてしまった。

「このように安定した状態であっても形態を維持するのが困難なのだ。もし実戦だとしたら……大問題になると思わないか?」
「その通りですね。これからも補完していかなければならない部分です」

ジナがフェルールの言葉を聞いて頷く。
マイクロボットを制御する指輪を使い、頭の中で設計した形を製作する。無限に近い自由度はあるが、その分制限されるものも多い。
前もって設計図を暗記したり、新しい設計をリアルタイムで構想したりすることはできても、集中力が途切れてしまうとマイクロボットは四方八方に散ってしまう。 戦闘で使うにはハードルが高く、味方の生死が左右される戦場では不完全なものであった。

「これを実戦で扱えそうな者はいるだろうか?」
「ひとりだけ……使いこなせそうな人がいます」
「リンジー、誰のことかな?」

フェルールは質問には答えずこちらを見つめるリンジーを見て、はっと思い出したように首を縦に振った。

「そうか! 彼女なら……きっと……」

幾多の戦場を潜り抜けた英雄でありながらも、我々に引けを取らない知力を持つ天才。
彼女がこの世を探検する冒険者でなかったなら、天界は7人のマイスターの目的をもっと早い段階で遂げていたのではないかと、みんなが思っていただろう。

「この扱いづらい奴が……彼女にとっては、この上ない糧になるかもしれないってことだな。」
「でしたらこれを……」
「時間をかける必要はない。今すぐリアさんに知らせよう。こいつを見た時に彼女はどんな顔をするだろうかな?」

真スピッドファイア

2人の女がキツカ家の屋敷に向かって歩いてくる。
広大な庭園と古風な屋敷の中を過ぎた辺りで現れた、この敷地の雰囲気にそぐわない工房の前で足を止めた。
1人が工房のドアを開けて中に入ると、もう1人も続いて入っていく。

「マルレーンと申します」

マルレーンと名乗った女が丁寧に頭を下げた。

「待ってたよ」

マルレーンの後ろにいた女は、声の先に視線を向ける。
そこには、多数の貴族が皇室に背いた時も、屈せず耐え抜いたキツカ家の代表「ゼソベル・キツカ」が立っていた。

「あのお方は?」

彼女は信念を貫き正の道を歩いてきたことを証明するかのようにしゃんとしているが、低く枯れた声は隠すことができなかった。
暮れゆく歳月の影響だけではない。その間ハードな日程をこなしてきたからだろう。

「連れて参りました」

ゼソベルの視線がマルレーンの後ろにいる女に向けられた。
嬉しさのあまり、生き様を表す皺の織り込まれた顔がほころんだ。
普段見せたことのない彼女の表情を見て驚くマルレーンをよそに、ゼソベルはその女に近づいて行った。

「遂に英雄と対面を果たせました」

ゼソベルは女の手を引き、工房の奥の部屋に入っていく。

「内戦が起こる前、キツカ家に隠密な命が下されたのです」

ゼソベルの話が終わると、キツカ家の者たちが大きな箱を両側から持ち上げる形で運んできた。
その大きな箱を床へ降ろすと箱が開き、新しい形をした馴染み深いものが出てきた。

「それは、義に満ちし者が自在に戦場を駆け回れるようにしろという特別な命でした」

女はゼソベルの話を聞いて、箱の方に近付いた。
自分の装備と似ているが、それとは比べ物にならない優れた完成度であることがひと目でわかる。
そこには品質を保証するかのように、天界一の技術を誇るセブン・シャーズのロゴが刻まれていた。

「空は天界も同じ、英雄が自由に空を駆け回れるなら、それ以上の安心は御座いませんから」

たとえ優れたスキルを持っていようとも、空に対する理解がなければ意味がない。
空を自由に駆け回るには、天候はもちろんのこと、些細な動作によって起こる変則も予想しなくてはならない。
これは理論だけでは賄えない。幾年も経験を積んだからこそ可能になるものである。
永きに渡り、皇室を守り幾多の戦争を乗り越えてきた「キツカ家門」だからこそ実現できたのだ。あとは目の前にいる英雄に委ねればいい。

「これをすぐには扱えないでしょう。ですが、自在に操れるようになれば……」

ゼソベルの瞳は自信で満ち溢れていた。

「戦地や状況を問わず……きっと良い解決策になるでしょう」



以上、女ガンナーの真覚醒ストーリーでした!
次回は男メイジの真覚醒ストーリーを公開します。お楽しみに💖

GMフォルテでしたヾ(゚ω゚)ノシ

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