5つの心臓

新規転職：ブラッドメイジ

"ウアアアアッ!!!!!!!"

少年は今日も悲鳴とともに目覚める。
失敗を予想し敢行した儀式。後悔があってはいけないはずだった。
しかし目前に迫った死の悪夢を前に少年は早くも崩れ落ちる。

"死にたくないよ…"

道がないわけではなかった。最近見つけたその方法なら
問題を確実に解決することができると思われた。
しかし、少年の意識の中に根を下ろした一つの考えが実行をためらわせていた。

'生き残るために他人の命を取るのは果して正しいのか…'

滅びる命が少年を窮地へ追い込んでいるにも関わらず
少年の理性はその道に入って行くのを拒否しつづけていた。

今のところは…

"他に方法があるはず！また後悔するわけにはいかない！"

今日も同じように誓いながら魔法研究室へと足を運ぶ少年の影から
深い闇のような何かが舞い上がっている。

スキル紹介

• ・ 血気を使用し、直接物理攻撃を与えるキャラクター
• ・ 血気吸収と消耗をコントロールし、中距離の敵を攻撃するクラス
• ・ メイン武器 ： 槍

覚醒 ： ヴァンパイア

少年程度の体格を持った赤黒い形状から低い音が流れ出た。

"その程度の力でこれ以上の抵抗は無意味である。偽装者よ…"

低いが胸に染みるような音が作り出す、謎の恐怖を押えつけながら男は声を絞り出す。

"はぁはぁ…一介の人間のくせにその方に対抗しようと思うなんて！愚か者だ！"

堂々と叫んでみるが声に混ざって出る本能的な震えは隠すことができない様子。

"人間…そう。私もかつては人間だった…
しかし私は一歩進んだ。そして人間を超越した何かになった…
お前らのような数多くの存在の命そのものを踏み台にして。"

その言葉と共に赤黒い形状が消えると現われた少年の顔は怪異なほどに青白く
輝くように赤い唇の間で目立って見える糸切り歯！
その鋭い歯は!!!

"イイィッ…貴様が噂の吸血鬼って奴か!!!
命を餓鬼のように飲み込んでしまうこの化け物め！たとえ私がここで倒れようとも
その方の力の前では貴様は何でもない!!!

押えつけて来た恐怖感から解放されると、流れ出た断末魔の叫びは死を控えた獣の泣き叫ぶ声のようにも見えた。

"化け物…そうか。これからはそう呼ばれても構わないだろう…
しかし、やはり吸血鬼(Vampire)の方が気に入っている。"

もう一度低い声で吟じながら赤黒い形状は思う。

'しかし…ここまで楽しいとは…
一歩踏み出すことをためらった過去…まことに愚かであった…'

2次覚醒 ： ヴァンパイアロード

血気を通じて根源に至った者
すべての生命が君主の前にひざまずくだろう

一時期、私はあまりにも懦弱であった…
死から逃れようとぶるぶると震えながら藁を掴むのに精一杯だった。
ところが、そんな私にある日、一筋の赤い光が下りた。
その光はあまりにも強烈で、私を追っていた死を焼き滅ぼし
死が追っていた私の懦弱な命さえも燃やしてしまった。
では…命が燃えてしまった私は…死んだのか？
いや！驚くことに光は私の肉体をくまなく探ってその懦弱さを追い出し
生と死さえ超越する強大な力を与えてくれた！
赤い光！血気こそ真正な生命の源泉！すべての根源への鍵であったのだ！

…そして、今日！まさにその血気を土台についに到達した！
ずっと妨げになっていた…
長々しい時間！果てしない苦痛！そして、無知な命たち！
そのすべてのものを踏み台にしてついに私が！根源の門の前に辿り着いたのである！

もうこの門を越える瞬間…私はこれ以上単純な存在ではなくなる！
私の目の前に広がるであろう生命の真正な力！その力の真の意味！そのすべてに接するようになった瞬間…
私は真理をもって生まれ変わるようになるはず！
以後の自分こそが生命！力！そして根源そのもの!!
… そして、そんな私を通じて無知な命たちが新しい生を迎接するようになるだろう！
ひざまずけ！そして新しい君主の前にお前たちの命と血を捧げろ！