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    真覚醒ストーリー 女格闘家編

    2023.06.14 16:06

こんにちは!
GMフォルテです。

6月も中旬に差し掛かりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
梅雨入りしたせいか最近は雨の日が増えていてドンヨリです…😔
日によって寒暖差があるのでなかなか辛い時期ですが、体調など崩さないようお気をつけ下さいね。

気になる4回目の真覚醒ストーリー公開ですが、今回は女格闘家の真覚醒ストーリーです!
男格闘家とはまた違った感じのストーリーになっていますので、ぜひご覧下さい✨



真ネンマスター

以気御剣術。
剣士の意志を込めて手から放たれた剣を自由自在に操りながら敵を攻撃するこのスキルは、剣を扱う者にとって夢の境地と呼ばれている。

それなら、ネンはどうだろうか?
ネンというのは、使い手の体内に留まるものの、最終的には自然の一部に戻る気運のこと。
ほとんどのネンマスターたちは長い間、このようなネンを研究して強大な破壊力を生み出すか、自分を守る目的で活用していたが、
使い手の意志が大自然の法則に勝てると想像すらしていなかった。

しかし、ネンの修練において一定の境地に達し、壁に突き当たった者たちはこの問いに正面から挑み、その答えを探し求めた。
もしネンに意志を込めて、思い通りに操ることができるなら……
単にネンを大きくしたり一点に集中するよりも、遥かに高次元な運用ができるのでは?

この種の議論はネンマスターたちとこれを研究する者たちの間で長い間繰り返し語られてきたが、その終わりはいつも理論上では可能だという虚しい結論だった。
そして私自身も色々なネンマスターたちと出会い、その理論に肉付けしたが、それを実現できる者が見つからず研究への熱意を失っていた。
つい最近、彼女が再び現れる前までは。

今思えば、教えを授ける目的だったのか。久しぶりに故郷に戻った彼女は修練生全員を空き地に呼び出した。
始まりはただ美しい念花のように見えた。
ネンで一門を起こした大家が咲かせたつぼみは実に煌びやかで、聖なるものに見えるほどだった。

しかし、彼女が目を閉じて集中すると、
大気中に散らばった念花から子蛇のように細くて長い念獣が1体姿を現した。
念獣は彼女の上半身に巻きついて這って、次第に青い竜に姿を変えていった。

勘の鋭い何人かのネンマスターたちが状況を把握して驚きを隠せなかったその瞬間、
彼女はこれ見よがしにもう片方の手を突き出すと、右手で咲いた念花からもう1体の黄色い念獣竜が現れて彼女の下半身に巻きついた。
目を閉じて両手をだらんと垂らしている彼女が、もうネンを使っていないことは明らかだった。
それでもまるで自らの意志で彼女に巻きついて動いているような2体の念獣の気運。

2体の竜に巻きつかれた彼女を見て、固唾を呑んでいた私たちはようやくこれが何を意味しているか分かった。
意志を込めたネン。
それは私にもう一度ネンへの熱意をもたらしたのと同時に、念帝を超える新境地を開く光景であった。

真ストライカー

パーン、パーン!

革を叩く軽快な音と共に、もう一つのサンドバッグが糸の切れた凧のように宙を飛んだ。
派手なテクニックも効果的な技も排除したまま、退屈であくびが出そうな基本技のオンパレード。
彼女は生まれて初めて格闘技を習う者のように、ただ手と足を突き出していた。

「休憩しましょうか」

数十回もテーピングを巻いた拳に、いつの間にか血が滲んでいた。
修練の部屋の隅で彼女を見ていた風震が心配そうに言ったが、
彼女は平気だと風震に片手を上げて見せ、サンドバッグを殴り続けた。

「あまりにも有名な話なので、自分で言うのもなんですが……
私が外交使節に任命されてスジュの外に出たばかりの時のことです」

しばらく無言で彼女の訓練を見守っていた風震が口を開いた。
その声に、サンドバッグを殴っていたストライカーの拳の動きが少しゆっくりとなった。

「ご存知の通り、私が全力で張った念障壁はあの方のローキック1発で破られてしまいました。
私は初めて無力感と敗北感を味わい、冷たい床に飛ばされました」

その時、直線でしか動かなかったストライカーの拳と足が、徐々に奇妙な角度を描いて動き始めた。
筋肉が動く原理や物理法則から少しずつ外れるような、破壊的な技の連携。
極限の「マッスルシフト(Muscle Shift)」であった。

「ある者たちは女性の体に合わせた格闘術は柔らかさで強い攻撃を押さえつけると言いますが……それはスチールマリアに蹴られたことがない者たちの言い草でしょう。
あの日以来、私は極限まで鍛え上げた肉体からの力もまた、使い手を真の強さに近づける道だと思うようになりました」

突然彼女の前に飛び出した風震が全力で念障壁を張った。

パーン!

過去が再現されたかのように風震が張った念障壁は破られたが、風震が床に飛ばされることはなかった。
念障壁を突き破った彼女の拳は風震の鼻の先で止まった。
急激なネンの消費によってふらついていた風震は、やがて道場の床に座り込んだ。

「やはり、あなたが得た悟りからあの時のあの方の姿が見えます。
いや、もしかしたら……自分が覚えた格闘術の源流を超える境地を見てきたのかも……」

感激に浸った風震の声を聞きつつ、
にっこり笑いながら彼の肩を軽く叩いた彼女は、床に落ちたグローブを拾って修練の部屋を出て行った。

真喧嘩屋

門主が戻ってきたぞ。
この一言は用毒門の門派生たちによって、一瞬で裏通りの隅々まで広がった。
物好きな人たちによって広がる噂より、遥かに早いスピードで広がった。

しかし、尊敬する門主との再会は感動的なものではなかった。
その代わり、殺伐とした対峙が繰り広げられていた。
白い砂浜に木の枝で線を描いたように、門主が放った毒によって一直線に溶けてしまった飲み屋の床。
彼女に近づこうとした門派生たちが青ざめて倒れた。

「門主、これは一体……!」

倒れた門派生たちに背を向けて立った男が門主を見つめた。
何歩か歩き出した男は、ヒリヒリする肌の感覚に気づいて何が起きたか理解した。
門主の全身から漂う凄まじい毒とそれが作り出した蛇らしきもの……
門主に絡みついた蛇が作り出した毒の領域は常に猛毒を扱う門派生たちさえ侵すほどの凄まじい毒であった。
全てを知った男は唖然とした。

「まさか……毒に飲み込まれてしまったのですか?」

もし彼女が毒に飲み込まれて毒人になったなら?
ここにいる全員は何一つ痕跡を残さず消えてしまうだろう。

「さあ……」

しかし、彼の心配とは裏腹に門主ははっきりとした声で答えた。
放心状態でこちらを見ている男を見つめながら後ろに下がった門主は、倒れたテーブルに腰をかけて話を続けた。

「そうだと思った。でも、違った」

男はようやく彼女をちゃんと見た。
明らかに毒に侵された半身と体の至るところに現れた中毒の兆候。
首の下まで侵された毒の痕跡。それにもかかわらず普通に動く手足。

「その逆の状況が起きたと言った方が正しいかも」

多くの意味を含んだ門主の話に、男は目を見開いた。

真グラップラー

一日に何度も戦いが繰り広げられ、噂も絶えないヘンドンマイアの裏通り。
その裏通りの地下でも一番奥の場所は思いがけない大勢の喊声と熱気に満ちていた。

「嬉しすぎて泣きそうじゃないですか、クレイグ」
「当たり前だろう、レクシー。ずっと夢見ていた大会がこうして大盛況のうちに幕を閉じるのだから」

まだ酔いしれているクレイグの表情を見て、レクシーとルーシーは頷いた。
冒険者ギルドに付いて行くと言い残して姿を消したクレイグは、ウェストコーストに突然現れた嵐と共に戻ってきた。
彼は魔界の「ファイトクラブ」でとある大会を目の当たりにし、何かに取り憑かれたかのように一つの大会を開催することに没頭した。

そうやって開催されたのが「UFE(Ultimate Fighting Elimination)」と名付けられた大会。
主催者のクレイグは性別、階級、戦い方に一切制限を設けなかった。
ルールはたった一つ、リングの上で最後まで生き残った者が勝者になる。

噂はすぐさま広がり、ちょうどウェストコーストで連合軍の会談が開かれていたこともあり、各地の実力者もまた公国の首都に集まった。
そのおかげで普段なら無法者の名前で埋まる参加者名簿も、スジュ皇室が開催する武闘大会に劣らない有名人たちの名前で埋まった。

そして今その実力者全員を倒して、リングの上に立っている者。

公国で双子の天才グラップラーとして名を馳せるルーシーとレクシーも当然優勝するという自信に満ちてこの大会に参加したが、二人ともあのリングの上に立っているグラップラーによって手も足も出せないままリングの外に投げ飛ばされたのだ。
レクシーは我を忘れて、長い髪をなびかせてリングの上でチャンピオンベルトを持ち上げる女に見惚れた。

「これで初代チャンピオン(Champion)が決まったんですね」

またとない大会の終わりが名残惜しいのか、ルーシーがため息をつきながら言った。

「チャンピオン?レクシー、やめてよ……そんなストライカーが好きそうな堅苦しい呼び名は……」
「そうね……。クレイグ、何かいいのありません?」

クレイグはしばらく顎を掻いてから、満足げな表情で答えた。

「クイーン・オブ・ザ・リング(Queen of the ring)。略してクイーン(Queen)」
「リングの女王……」

クレイグの返事を聞いたレクシーの目は、リングの上で輝いている「クイーン」に釘付けになっていた。

「ルーシー、クイーンに付いて行こう!」

突然すぎるレクシーの話にルーシーは動揺を隠せなかったが、彼女もまたレクシーのように胸が高鳴っていた。

「本気なの? 付いて行ってどうするのよ」
「友達……いや、弟子にしてほしいと頼もう!」
「レクシー、待ってよ! ちょっと待って……!」

レクシーとルーシーはいつの間にかリングから降りたクイーンに向かって走って行った。
そんな二人を見てクレイグは、もう一つの伝説の始まりを予感して微笑んだ。



以上、女格闘家の真覚醒ストーリーでした!
次回は男ガンナーの真覚醒ストーリーを公開します。お楽しみに🤗

GMフォルテでしたヾ(゚ω゚)ノシ

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