Season4 Act12 黒きアリア

アルシオーネ

瞬間を支配する者は空間を超越する

暗い夢の中でも見える鋭い光。
私たちが目標としている迅速の星。
遥か遠い空から来て…最も遠い空へ。
人々の知恵を超越し、空を照らす。
瞬間を支配する者、空間を超越する。

優秀なローグがスピードに執着するのは今さら言うまでもない。
機敏な動きは強靭な精神力と鍛え上げた肉体の融合による最高の結果…。

ローグたちはそれを成し遂げた者を、夜空の明るい星「アルシオーネ」と称し、褒め称えた。
アルシオーネはローグにとって行ったことのない故郷であり、いまだ見ぬ師である。
傍からは理解に苦しむかもしれない。だが、星の放つ青白色の光こそ、最も正しい教えだと思っているのだ。

そのため、ローグは決して道に迷うことがない。
空を見上げれば…そこにはいつでも師が見守っているから。

そして、いつか必ず師を越えるだろう。

タナトス

掟を破るべからず

死霊術を覚えようとする者たちよ。
そなたたちの無知とうぬぼれに軽蔑と感心の意を示し、
この文章を書き始めよう。
そなたたちが背負ったものが何であれ…今の選択は間違っている。
屋根を直すために柱を壊すのと同じ…。
少しでも理解できるなら…直ちにやめるべきだ。

そして…未だ欲望に駆られ、突き進んでいる者たちよ。大いに喜べ。
楽に命を落とすことはできないだろう。
実に哀れな者たちよ……。

自分の手に負えない魂を呼び出してはならぬ。
死霊術は世の中に残っているエネルギーをかき集め、術者の力にする呪術…。
決して死者をこの世に呼び出す呪術ではあるまい。
ある愚か者は悪霊を操ることも死霊術の１つだと主張したが、
生前の未練によって強靭な力を手に入れた魂を…操れると思うのか？

掟を破るべからず。
そなたたちの無知ゆえの悲劇はごめんだ。
むしろ魂にやられ、自我がすり減り、埃より小さくなるまで…苦しみの中であがきたくなければ…。

死を避けたつもりが迎えることになってしまうだろう。くだらない欲望は捨ててしまえ。
もし、運よく生き延びた奴がいたなら…声をかけてくれ。
この親切な助言を聞き流した奴の…その顔が見てみたい。

あくまでも、私がその時まで理性を保っていればの話だが。

初代タナトス、クロリンドの著書より。

シラヌイ

一瞬にしてすべてを飲み込む炎

乾いた地で燃え盛り
一瞬にしてすべてを飲み込み
密かに消える炎よ。

彼らの無知が
自らを落ちぶれさせる時
孤独に咲く花よ。

我々の敵の前に堂々と
美しく開花し
君と私、みなを永遠に存在させ続けるのだ。

シラヌイの唄より

グリムリーパー

闇に身を潜めた彼らの刃を避ける方法はない

(前略)
…彼女たちは確かに暗殺に関しては専門家で、そしてその方法は…実に残忍。
確実にターゲットの息の根を止めるためとは言うものの、
彼女たちは自らの実力を自慢するために、残忍な方法を取るのだろうと疑いの目を向ける者もいます。
その通りかもしれません。
彼女たちが残酷な方法にこだわればこだわるほど…雇い主は増える一方ですから。

多くの貴族たちはすでに彼らと密かに接触を図っています。
宿敵を倒すため、あるいはある目的を果たすために彼らを雇います。
多くの警備兵を配置しても…何の意味もありません。
いくら実力者であってもターゲットになった以上、
必ず血まみれの死体となって発見されます。
これは…実に恐ろしい状況と言えるでしょう。

闇に身を潜めた彼らの刃を避ける方法はありません。

今我が王国がこうして体制を維持できているのは、
彼女たちが道具としての位置に満足しているからです。
しかし…彼女たちが道具としての分際を忘れ、恐ろしい行動に出たら……？
危険は予め、防がなければなりません。

まだ迷いがあるようでしたら、ディアセクの死を思い浮かべてみてください。
ディアセクは動きも機敏で、魔法にも長けた者でした。
しかし、そんな彼が…どうなりましたか？

一時は彼に忠誠を誓い、仕えていた者たちの手によって命を落としたことは記憶に新しい。
友情の想いを込めて彼女たちに接していたディアセクすらあの悲惨な最期を迎えたと言うのに、

「彼女たちが今まで以上に大きな秘密を手に入れるかもしれない」
という現在の状況を黙って見ているおつもりでしょうか？
王国中に指名手配書を配り、冒険者と軍隊に彼女たちの逮捕を命じるのです。
彼女たちを一気に逮捕し、災いの元を取り除かなければなりません。

…その罪については…雇い主に、ではなく…グリムリーパーだけを追及した方がいいでしょう。
そうすれば…ベールに包まれているグリムリーパーを表舞台に誘き出すことができますから…。
(後略)

差出人と宛先不明の手紙より