2017.8.23 Season5 Act5. 救い

ストーリー

礼拝堂のロウソクはいつものように静かに輝いていた。
彼女たち。エヴァンジェリストも揺れないロウソクと同じく、
静かに各自の位置で手を合わせていた。

その日は、とある宗教的な象徴性を持つ周期が最後を迎える日だった。
彼女たちが彼のための祈りを始めてから長い時間が経っていたが、
彼女たちは全く姿勢を乱すことなくそれぞれの位置を守っていた。

再び太陽が昇って夕やみが迫る頃、周期の終了を知らせる鐘の音が仄かに響いた。
やがて彼女たちは、一人二人眠りから目覚めるようにゆっくりとまぶたを上げた。

ところが、目の前にはいつもの礼拝堂の風景やロウソクの姿はない。
漆黒が四方を覆っていて、目を開けているかどうかすら分からなかった。
膝に床の感触は感じられたが、それもまた「無」の空間と変わらないように感じられた。

一瞬、彼女たちの中の一人が光を起こそうとしたような動きが感じられた。
しかし、嘆息のような低い祈りの声が聞こえるだけだった。
彼女たちはその後沈黙した。その誰も口を割って意思を打診しなかったが、
きっとそれなりの意味が込められているに違いない。

'君たちよ。'

どこかから空間を埋めつくすような声が聞こえた。彼女たちが顔を上げて空を見ると、
まるで太陽を凝縮させたような光の群れが視野に入ってきた。
光は彼女たちの頭の上で猛烈に光を放っていたが、目が眩しくなることも、
周辺の漆黒を退かせることもなくただその場にとどまっていた。

ストーリー

夢を見た。
そこで地獄を見た。
私は使命の終着地を彷徨った。

そこは聖火が流れる炎の川。
川をぎっしり埋め尽くした杭の間から
燃え上がる罪業が流れていた。

杭に差し込まれた兄弟の苦痛を見た。
兄弟は何の罪を犯し、こちらにいるのか？
だが、舌で罪を犯した者は答えることができない。

目で罪を犯した者は、私を見ることができない。
盗み事をした者は、燃える手を上げて苦しんでいた。
そのとき私は、自分の両手が燃えていることに気づいた。

神の名をもって殺戒を破ってきたから
両手は誰よりも真っ黒に燃え上がっていた。
ここは私の罪業に相応しくない。私は川の中心に向かって歩いた。

我々の死後は地獄あるのみ。
そこで邪道を罰する宿命を持っている。
毎日復唱してきた宣誓だけが私の道しるべになる。

どれほど歩いただろうか。全身が炎に包まれた者だけが
私を取り囲んでいて、そこに意志を持った者はいなかった。

ストーリー

満月から数日が経ち、歪んだ月がゆっくりと昇った初秋の夜。
月明りに包まれた泰山の粗大な姿が遠い太古の静寂を押し出し、
窓際を守る秋の伝令たちが声を上げて遠い昔の伝説を語り続ける多感な秋の夜であった。
そのせいなのか、その日は信託を望んでいた。
信託は自分の願いではなく神竜様の降臨によるものなのに。

愚かな願いを抱くなんて、煩悩が多いせいなのか？
いつからか、信託が下る前からもうじき信託が下るという予感が感じられるようになった。
信託を予知するという喜び、
それはきっと遠く感じていた神竜様との距離が少しは縮まったという証拠だろう。
単に信託を受け入れるための器ではなく、
神竜の志を読んでいるような感覚。
仕える身としては申し分ない祝福であると感じていたのに……
この感情こそ煩悩なのかもしれない。

万感が交差し、少し哀傷的な想念に浸っていたところ
風紙のない私の胸の窓の隙から突然、神秘的な予言が飛び込んできた。
普段のように抽象化された神言を描く信託ではなかった。
彼の想念と感情化された破片が、
私の心の窓の隙に細かく差し込まれていた。
激しく揺れる想念の片鱗が私の胸の中に根を張り、
その欠片が合さって一つの固い意志として表現された。
現世の堕落に対する不信、
誠実な魂の喪失、
あらゆる魔が沸き立つ汚された地、
この世の乱れに彼は大きな怒りを抱いていた。

ストーリー

我々と神の最後の対面はいつだったのだろうか…？
誰もが神を称えているが、実際に自分の目で見たという者はいない。
神の声を直接聞いたという者もいない。
神は我々のそばにいない。
ただ、彼の志をなんとなく推測しようとする者はたくさんいる…
しかし、覚えておこう。
神はいつも、どんな時も我々を見守ってくださっている…

-古い聖書の中から-

今日も一人のか細いプリーストが、
罪業をおさめては積む旅程を続けている。
罪を犯した者たちを少しでも神のもとへ近付かせるための修行であると信じている。
たとえそれが自分自身を神から遠ざからせることになるとしても…

ある日、彼女は不思議な夢を見る。
夢を見ている途中はあまりにも鮮明で驚いていたが、
目覚めた後はずいぶん前に経験した事のように、
かすかに感じられるその夢は何度も頭の中を混乱させている。
どこかで見たようで、見た事のない美しい楽園、
その中で輝光に包まれた存在との記憶。
'子よ…君がおさめた罪の意味が分かるか…？'
乱れている記憶の中に、ただ一つの文章が深く刻まれた文字のように鮮明に繰り返されている。
彼女の前に繰り広げられた奇跡。燦燗な光を発する球体…
'これは…?'
原罪、りんご、禁断の果実、プラーナ、それを意味する単語は数多く存在する。