SEASON4 ACT7 聖戦

ただ、正義に応じるのみ。

かくしてミカエラの肉体は地に倒れ、その名には使徒という黒い烙印が押された。

これを聞いた人々は悲しみ泣き叫んだ。神よ、我々に待ち構えているのは何でしょうか。我々を導いていたミカエラが
敵となり現れ、我々の手により命を落としました。

教団を離れてそれぞれの道へ

この血は誰のためのものでしょうか。

彼らの叫びは刃となり、嵐となり聞く者の心臓を切り裂いた。
信徒たちを誠実に導き、神の栄光の前に魂を導かなければならない
レミディア・カテドラは、独断で聖眼のミカエラの名を守護神の位に引き上げた。

人々は歓喜したが事情を知る者は首を横に振った。特に聖戦の先鋒に
立ち戦った者たちは失望し、教団を離れてそれぞれの道を歩み出したのだ。

セイントの名のもとに

しかし、聖なる少女グランディスは神の試練を受け入れ、自ら礎になり
堅固に教団を守った。クルセイダーとホーリーオーダーは彼女に従い、
プリースト教団は倒れることなく世の信仰も一つにすることができ、
皆が神の導きだと褒め称えた。

グランディスは言った。
私たちはお互いを憎んではいない。すべてのプリーストは
それぞれの神に仕え信仰を持つが、今もなお一つの
教団として接し、助けを求める兄弟から目を背けることはない。

私たちは悪しき集会を憎悪し、異教の神を差別しない。ただ、正義に応じるのみ。
セイントという名によって私たちの覚悟を改めるのだ。

神の真意を理解し、それを執行する者

神の懲罰を代行する者として、偽装者を探し、徹底的に破壊することに生涯を捧げてきた者たち、その名は「ゴッドハンド」。

心が揺れぬよう常に己に鞭を打ち、神の意志に従い、冷酷に偽装者を破壊してきたが、彼らの手によって懲罰を受ける偽装者が
次第に増えるにつれ、｢ゴッドハンド」の心は恨みと悲しみで少しずつ染まっていったのだ。

｢彼らも最初は我々と同じ存在だったはず……徹底的な抹殺だけが本当に正しい答えなのだろうか…。破壊し続けてきた我々が、 彼らとは違うと胸を張って言えるだろうか……？」

答えを探す旅へ

これまで偽装者を単なる抹殺の対象にしか見ておらず、一度も疑うことのなかった
彼らが己の揺れ動く心に動揺し始めたのだ。そして、長年、苦しみ悩んだ末、
この疑念の答えを探すため旅に出た。

生涯を捧げて信じてきた信念に疑念を抱くようになってから、それに反発するかの
ように偽装者の抹殺にさらにのめり込む者たちと、偽装者による爪痕を
眺めながらより大きな憎しみを持つようになった者たち。

絶え間ない修練と瞑想、そして神への祈りを繰り返しながら
己に鞭を打つ者たち、神の痕跡を探す旅に出てその意志を
理解しようとした者たち……。

｢正義｣こそ神の真意

幾年の月日が流れ、「ゴッドハンド」の中から答えを探すため
旅に出ていた者たちが一人、また一人と戻ってきた。
彼らがどんな道を歩み、何を目にしたのかは分からない。

しかし、彼らは「ようやく神の真意を悟り、それが私の正義になった」と語った。

｢神の真意」を悟って戻ってきた者たちは「正義」という基準によって、
明確な確信と使命感に満ちており、何一つためらいもなく偽装者をせん滅した。
実に「正義のみを追い求め、正義のためなら手段を選ばない者」であった。

かくして人々は彼らを「ジャスティス」と呼んだ。
彼らは単なる神の代行者ではなく「神の真意を理解し、それを執行する者」である。

黄竜の試練に打ち勝った者

神の力を求めし者、四神の寺で修練を積め。

これは遥か遥か昔の話じゃ。わしがお前くらいの時分に昔話として聞かされた話じゃからのぉ。
地域や人によっては少し異なったりするかもしれんが、竜闘士が次に目指す道は四神の寺であることに変わりはないのじゃ。

大勢の竜闘士たちがあの寺を探して旅に出たのじゃ。わしの師匠も若い頃、四神の寺を探して様々な場所を旅したそうじゃ。
しばし、休むつもりで入ったこの寺で骨を埋めてしまったがね。どうしてお前がそれを耳にしたのかはよく知らんが…
お前に太乙仙人の話をしておこう。この話は初めてじゃろう？

四神の寺への渇望

昔、若くして竜闘士になった者がいたそうじゃ。
ほうぼうを旅しながら自分の師を探していたが、
彼を教えられる者はどこにもいなかったそうじゃ。
そのためだろうな。彼が１０年もの歳月を
かけ四神の寺を探すことになったのは。

わしのような老いぼれでもなく、血気旺盛な
若者にとって１０年はとてつもなく長い年月じゃったろう。
その長い年月を捧げるほど…彼は渇望していたのじゃ。

だが、物事が思い通りにいくとは限らないのじゃ。
長年の探索の末、四神の寺の存在は結局戯言に過ぎないと諦め、彼は失望して
スジュに帰ることにしたそうじゃ。長年旅に出ていた分、帰るのもかなりの時間が
かかったそうじゃ。険しい山で夜を迎え、一寸先も見えない闇の中、そこで今にも
崩れそうな寺を発見したのじゃ。

鬼神たちとの闘い

そこに入り寝入った瞬間、突然不気味な気運を感じ目が覚めてしまったそうじゃ。
彼の周囲は、生きた肉体を求める邪気に駆られた鬼神たちで取り囲まれていたそうじゃ。

疲れ果てていた状態じゃったが、竜闘士１０人がいても倒すことはできない鬼神たちを
たった一人で倒してしまったそうじゃ。さすが当時最高の竜闘士じゃのぉ。彼を教える師が
見つからなかったことにも納得じゃ。

黄竜から与えられた力

ところが、鬼神たちとの戦いで力尽きてしまって動けなくなってしまったそうじゃ。 その場に倒れた彼は｢ここで終わりか…」と覚悟を決めた刹那、突然空が黄金色で光り巨大な竜が 屋根を突き破って下りてきたそうじゃ。

力尽きた彼は逃げることもできず、そのまま目を閉じたそうじゃ。ところが、しばらく時が経っても何も起きる気配がなく、目を開けてみたら…そこは、今まで倒れていた寺ではなくある草原だったそうじゃ。鬼神の悪戯だと思い起き上がった彼は己の体の中から熱く強力な力が漲るのを感じたそうじゃ。まるで竜が力を与えてくれたかのようにな。これがどういうことか分かるかい？

そう、天から下りてきた黄竜が体内に入ってきたのじゃ。襲いかかった鬼神たちは彼の力を試していたのじゃ。わしはこう思うんじゃ。四神たちが彼を黄竜がいる場所まで導いたのではないかと。それから彼は黄竜の試練に打ち勝った者、「太乙仙人」と呼ばれ、人々を救いながら生きていったそうじゃ。

そう、これがまさに竜闘士が追い求めるべき高みなんじゃ。だから、お前も四神の寺に行きたければ修練に精進し、まずは四神たちに認めてもらうがよかろう！

奈落に落ちた悪鬼

奈落に落ちた悪鬼を見た　慈しみなどは知らない、悲鳴を食す
世に生まれてきた理由が唯唯そのためである

強烈な死を全身に巻きつけた悪鬼を見た　鋭い叫びに
切り裂かれ、血を流し　微物より惨めな敵にむしろ
哀れみを感じるのは　同じく恐怖を抱いているからであろう

誰がための魂か

生かすために命を奪う断罪の剣　その一つの体を
切り裂いても結局　剣の向く先はそなたの心臓

吐き出した憎悪がため息に混ざって消えていく

救われたにも関わらず石を投げつける者たちよ、
黒い獣は誰に向かって発する言葉なのか

捨てられたにも関わらず道を進み続ける求道者よ、
その貴い魂は誰がためのものなのか

幼い腹蛇よ、もう泣きやむのだ、彼も一時はすべてを
捧げて仕え、真っすぐに生きていくとひざまずいて誓ったのだ

清く響き渡る鐘音の下で