Season10 Act3 HUNTER&VIGILANTE 狩り開始!

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新規アクト「アスラハン:霧ノ神ム」

シノプシス

「クラディス、本当にこの方法しかなかったのか?」

エダンの質問は含みのある言い方だったが、明確だった。
クラディスが犯したことは全て霧ノ神、ひいては仙界のためであったことは知っていた。
神は自らを消滅させろという神託を下し、その神を敬う祭司長としてクラディスはその神託を受け入れることができなかった。
仙界の根幹である神が消えてしまうと、仙界がどうなるかは誰にでもわかること。
そして待ちわびていたように、霧ノ神が弱っているところを狙って現れた敵。人間の姿に化けて潜り込んだ妖怪が正体を明かし、
霧ノ神の調和を崩す魔法使いが現れた。
事前に知っていたとしても、その強力な敵を相手に晴煙の力だけでは対処しきれないことは明らかだった。
折よく仙界の外から来た人々がいなかったら、晴煙はラルゴやロペスの手によって崩壊していただろう。

だから理解しようとした。
皆に霧ノ神の絶望的な神託を知らせた時、その混乱は手に負えないものになりかねないと。
そして晴煙だけでは到底敵わないから、彼らを監視するために味方を装っていただけだと。
自ら消えようとする霧ノ神を取り留める唯一の方法は、皮肉なことに霧ノ神を目覚めさせないことであったから。
彼の行動に理由があることまでは理解できた。

しかしクラディスは答えなかった。
エダンは無言のまま自分を見つめるクラディスが実は言わないのではなく、言えないのでは?ともどかしい気持ちになった。
彼の一言で全ての疑問が解消されそうなのに、クラディスは頑なに無言を貫く。
そして信じたくないが、彼の目はまだ何かやり残したことがあると語っているような気がした。

「どういうつもりかは分からないが…」

断固とした口調で話を続けるエダン。

「これまでの君の行動による結果がどうなろうが、君が自らを犠牲にした英雄のような者として記録されることはないぞ。」
「分かっています。ただ霧ノ神や白海を危険にさらした…者として覚えられるでしょう。」

初めて口を開いたクラディスから、それ以上の言葉は続かなかった。
まるで何かを待っている人のように、そしてまだ何かが残っているかのように。

モンスターストーリー

霧ノ神ム

我は記憶できない、無知なままで居させるために作られた存在。
ほとんどの記憶は消えてしまい、残るは重なり合うように深く刻まれた痕跡、暗く危い痕跡のみ。
強烈な力に反応して長き眠りから再び目覚めた時、我に影響を与えた存在はすでに消えていた。
我々には手の届かない、常識を超えた危険かつ巨大なる存在。
その存在の影響が消えた後、気づいたら我の前に一人の魔法使いがやってきた。
彼は我に記憶を反すうできる本を渡してくれた。

「記憶と…霧の…神?」

数々の記憶が積み重なり始めた。
身に余る名で呼ばれ始め、我の力が仙界全体に影響を及ぼすことを知った時から
我は自分に記憶をくれた人、大切なあの人が愛するこの世界のために努力した。
多くは望まない。ただ、彼が守ろうとしたものを守るだけ。
そのために我がやるべきことは明確であった。

「二度と自分の記憶を忘れてはいけない。」

そうして記憶が積み重なっていく。
さらにその記憶をもとに仙界は移り変わっていく。
幾星霜を重ねていくうち、もしかしたらこのまま永遠にいられると思っていた。
しかし彼は我が目覚める直前に会った、巨大な存在の言葉を忘れられなかった。
いや、彼は幾百の時間の中で一度も忘れることはなかった。

「あなたが出会ったあの存在は…我々には手に負えません。彼は…彼女は…あの存在らは…」

彼が去ってから、初めて記憶が崩れた。
始まりはただの不安によるもの。
正体を隠した矢先に、自分自身をよく知っている人に出くわした時のように。
全身を覆い隠しているが、一糸纏わずの時のように。
大勢の人の中から、隠し立てていた正体を暴露された時のように。
この重苦しい気が持つ、本質的な暗い力は…

「我と一緒にいた存在らと同じ力?」

違う。

「かつては我が持っていた力。」

それは恐ろしく暗い一面を持つ…呪われた十二の力の一つであった。

不調和のロペス

ギギギギ。
人間の力ではビクとも動かせられないほど巨大なクレーンの歯車が噛み合い続け、順調に回っている。
相当重い物を持ち上げているのか、一度揺れるたびに折れそうに曲がりながら少しずつチェーンを引きあげる。
ミストギア。霧を燃料にして作動する発明品。
「霧」。神からの贈り物とも呼べるその力は、長年、何の代償も無く使われていた。
黄色の眼鏡をかけた男はこう思いながら、再び考え込む。

「ふむ。神からの贈り物だなんて。」

あの霧はすでに霧ノ神が広めたものなのに。
霧ノ神という存在。その実体を目にした者はいないものの、その存在を否定する者は誰一人いない。
今、目の前に見えるこの霧がまさにそれだから。
白海には霧ノ神を崇拝し、その実体を探すために手を尽くしている者らも昔から存在しているそうだ。

ギギギッ。
思考を邪魔する騒音に男は再びクレーンに視線を向ける。
男は疑問に思う。ここまで完璧で贈り物同然な霧の力が、なぜ彼らに毒よりも致命的な影響を与えるのだろうか。

妖獣。
ロペスは長年それを研究してきた。
妖獣と妖気。そして神獣と霧。その違いについて。
しかし妖獣や妖気そのものを「害」として扱う仙界の人々は、その妖気が充満している空海への接近を長年控えていて
その結果「乱脈の地」と呼ばれる空海の下の地域は、未だにほぼ何も知られていない未知の領域であった。

ガタン。
巨大なクレーンが何かに引っかかったような音とともに止まった。
そして何かと力を競うかのようにチェーンが張り詰められ、クレーンは辛うじて耐えられる弾力の範囲内で傾き、今にも折れそうだった。
今回捕まえた妖獣もかなり大きく、重いようだ。

「ロペス、ちょっとこれを見てくれないか?」
「はい。」

ロペスは少し高い所にあるクレーンを操作する場所に移動し、眼鏡をかけ直した。
レバーを操作しながら下を見下ろすと、宙に浮かぶ浮遊島に奇妙な姿の化け物の角が引っかかっている。
このまま吊り上げると、あの化け物の角が折れるか、クレーンが壊れるかのどちらかになるのは明らかだろう。
ロペスは袖をまくった。血管が浮き出た筋肉質の腕はこういうトラブルには慣れているかのように迷うことなく、動いている。
角が引っかからないようにクレーンを再び下ろし、横に移動して吊り上げ始めた。 ガタッ。

「うん?もう引っかかるようなものはないはずだが。」
「やっぱり?さっきから調子が悪いのかおかしいんだよ。」
「クレーンのミストは満タンにしていますか?」
「もちろんさ。今朝ぎっしりと補充しておいたぞ。」

ロペスは、クレーンのミストを注入する燃料タンクを確かめる。
しかし男の話と違って、燃料タンクは空っぽだった。
まるで最初から何もなかったかのように、霧が完全に消えていた。

「何もな…」

大きな音とともに飛空艇の船体が大きく揺れながら傾き、何か重いものがロペスの頭にぶつかった。
巨大な妖獣がぶら下がった方に大きく傾き始めた飛空艇は、やがて動力を完全に失い、墜落し始めた。
人々は脱出するために、それぞれが持っていたミストギアを作動させようとしたが、一つも作動しなかった。

「仙界の霧が全部消えた…?なぜ?どうやって…?」

血色に染まってぼやけてきた視界には人々とともに、高いところに浮かんでいた飛空艇が落下していく光景が見える。
ロペスが乗っていた飛空艇も、巨大な妖獣の体重によって急速に乱脈の地へ墜落していく。
彼の頭の中には、この状況を回避するための様々な考えが脳裏をよぎる。
まるで走馬灯のように渦巻く思考は、最も大事なことを思い出しては止まった。

「ロザリンド…サヴェッリ…危な…」

そして、その思考が続くことはなかった。

不吉なサヴェッリ

関節を一つ一つ動かしてみる。
身体の動きにぎこちなさを感じる。まるで自分の体ではないような…
最後に見た光景を思い出しながら記憶を辿る。
天気が急に曇りになり、目の前が真っ暗になった。雲が消えたという表現で合っているかも。
そしてその次は…どうなったのだろう。よくわからない。
引き裂かれた記憶は、お互いを覆い隠そうとする。

脳内でごちゃ混ぜになった記憶を無理やり押しつぶした。
すると、床のタイルや壁の仕掛けが反応し始めた。
おそらくこの複雑な機械でできている工房は
僕たちの思考通りに動いてくれるようだ。

体の動かし方に慣れてきた。
この工房も同じく、僕らと一体化して動いている。
しかし頭の中の記録は相変わらず支離滅裂。

初めて見る空間に来た覚えがある。
初めて見る装置を使った覚えがある。
初めて会った人と会った覚えがある。
初めて見る…

ま、いっか。
ロペス様に再び出会えただけで十分だ。
脳内を埋め尽くす不吉な考えなんか、捨ててしまえ。
あの方の記憶に従って、やるべきことをやればいいさ。

平穏なロザリンド

曇り空、叫ぶ人々、消え去った霧…
それがわたくしの最後の記憶、そしてその後に続く果てしない闇。
あの時きっと、わたくしとサヴェッリは死んだのです。
どうやって死んだのかは思い出せません。
単なる事故だったのでしょうか?
それとも不治の病だったのでしょうか。
それとも…誰かに殺されたのかもしれませんね。

なぜこんなに淡々と話せるのかですって?
そうですね。おかしいですわね。わたくしどもは確かに死んだはずなのに。
死というのは寒くて、痛くて、孤独なもののはず。
あの時の記憶が何度も甦るのに
わたくしの心はいつにも増して平穏そのものですわ。

あのお方の力でわたくしどもは生まれ変わりました。
常しえの闇の中で眠っていたわたくし共に、あのお方が光を照らしてくれたのです。
あの方より賜った記憶とわたくし共に調律など不要です。
わたくし共は今、その誰よりも調和のとれた状態ですから。

シナリオ

  • · 新規アクト「アスラハン:霧ノ神ム」が追加されます。
  • - 該当アクトは名声23,259以上のキャラクターが受諾可能です。
  • - 110レベルアクトクエスト「唯一の方法」受諾時に実行可能です。

新規地域 – 白海北部

  • · ワールドマップに新規地域「白海北部」が追加されます。
  • - 110レベルアクトクエスト「再び始まる交流」完了時に入場可能です。

新しい街 – ムの安息の場

  • · ワールドマップに新規タウン「ムの安息の場」が追加されます。
  • - 110レベルアクトクエスト「再び始まる交流」完了時に入場可能です。

その他

  • · アラドクロニクルシーズン13項目に「アスラハン:霧ノ神ム」関連の内容が追加されます。
  • · 110レベルアクトクエスト「再び始まる交流」完了時に新規NPCが追加されます。
  • · 110レベルアクトクエスト「目覚めた森に向かう準備」完了時、新規NPC「白雲の伝令エルリッヒ」が追加されます。

アスラハンシナリオダンジョン報酬

獲得アイテム

  • · アスラハンシナリオダンジョンでボスモンスター退治時、1回限定でオプションレベル57~59の105Lvエピックセットオプション装備アイテムが確定して、追加ドロップします。
  •  - 本来ドロップされていた装備アイテムの仕様はそのまま維持され、追加でさらにドロップされる方式です。
  •  - 追加ドロップされた装備アイテムは商店販売価格が存在せず、商店再購入不可の制限属性が適用されます。
  • · モンスターを退治すると一定確率で以下のアイテムを獲得できます。
  •  - 各報酬の獲得ルールは従来の一般ダンジョンと同じです。
  • 獲得可能アイテム 獲得可能難易度 交換タイプ
    ノーマル エキスパート マスター キング
    105Lvエピック装備(固定オプションエピック) 交換不可
    仄かなミスト 交換不可
    精製されたミスト アカウント帰属
    ミストコア 交換不可
    ゴールデンベリル アカウント帰属
    [交換不可]ゴールデンベリル 交換不可
    ライアンコア 交換不可
    調和の結晶 交換不可
    境界の破片 交換不可